ピアボーナスを社内に導入し、うまく活用している企業UZUZの取り組みを紹介します。UZUZは新宿・横浜・大阪など大都市にオフィスを設け、在宅ワークなど自由な働き方を推進している企業です。新しい働き方を模索する同社が、どのようにピアボーナスを活用しているのかチェックしていきます。
UZUZがピアボーナスを導入した最初の目的は、他の会社でも事例が多い社内で活躍した社員に対するインセンティブでした。広告宣伝費がかからない既存のユーザーからの紹介を獲得した社員に対する成果報酬を、現金ではなく社内通貨で付与する目的です。
もう一つの導入目的は、働き方の多様化に伴う社内コミュニケーションの取りづらさ解消でした。当時営業拠点が増えはじめたUZUZは、テレワークの普及もあり社員が一か所に集まる機会が減少。そこで社員同士のコミュニケーション強化を目的としたピアボーナスの運用拡大も始まりました。
ピアボーナスを社内で運用した内容を詳しく見てみましょう。
UZUZはまず1ポイント1,000円換算の「ウズポ!」を設定し、知人を紹介した際のインセンティブや月に一度の社内表彰獲得者に支給し始めました。また、社員同士の感謝や仕事への取り組みをほめたたえる「サンクスウズポ!」も運用を開始。多い社員は月に40ウズポ!つまり40,000円相当のボーナスを獲得することも少なくないようです。会社全体では月平均20~30万円分のウズポ!をピアボーナスとして運用しています。
ピアボーナスとして獲得したウズポ!は可視化され、自分の分はもちろん全社員が閲覧可能になっています。活躍した社員や人から多く感謝を集めた社員が目に見えて分かる仕組みです。これはウズポ!が現金ではなく、獲得した自覚を得づらかったためうまく社内流通しなかったことへの対策として参考になる取り組みです。
表彰や感謝でもらったウズポ!は、事前決済の必要なく社内活動の範囲で自由に活用することができます。現金の支給ではありませんが、ややこしい手続きなどなくお金と同じように使える点が特徴です。
UZUZはピアボーナスを活用してどのように社内の課題を解決したのでしょうか?具体的な導入の事例と課題解決への道のりを見てみましょう。
活躍したり感謝されたりすると貯まるウズポ!は、社内の飲み会や社員同士のプレゼント購入などに積極的に活用されるようになり、自然と社内コミュニケーションが活発になりました。たくさんウズポ!を獲得した社員が可視化されるため、活躍した人の周りには自然と人が集まる効果も。ウズポ!を獲得した本人も、周りの人の支えを実感することで自然とおすそ分けする気持ちが生まれるようです。現金ではなく、社内コミュニケーションのためなら自分だけの判断で使用できる気軽さも、ウズポ!の普及に一役買っています。
ウズポ!は社内コミュニケーションの活性化だけでなく、社内クラウドファンディングとして新規事業創出という取り組みにも発展しています。例えば動画コンテンツ事業を立ち上げるための機材購入費という名目で15万円の目標資金を設定。事業担当者が社内プレゼントを実施し、共感した社員のウズポ!を集めて資金調達を達成しました。こうした新規事業の資金を社員から集める取り組みは珍しい事例ですが、現金でなく社内通貨を活用したためうまくいった事例といえるでしょう。あらかじめ社内でウズポ!が定着していたことも、プラスに働いたようです。
2021年1月現在、全14サービスあるピアボーナスの中から、無料のトライアル期間があるツールをピックアップ。3つのピアボーナスをトライアル期間の長さと、導入した場合の1か月あたりの料金(50名の場合)で比較しています。