従業員が定着しない

社員の離職を防ぐ方法のひとつに、社員同士が評価や感謝の気持ちを送り合う「ピアボーナス」があります。

ここでは、ピアボーナスを導入した企業の事例を見ていきましょう。

ピアボーナスを導入することで、職場のコミュニケーションを活発になるほか、仕事や組織に対してのモチベーション向上が見込め、結果として社員定着率の向上に寄与します。

次のページでは、実際にピアボーナスを導入する企業の従業員に、ピアボーナスの満足度についてアンケート調査した結果を掲載。現場の声を見ていきましょう。

ピアボーナスは社員の定着率アップに有効な手段ですが、根本的な社内改革や社員の意識改革を促せなければ、どれだけ良いシステムを導入しても定着率を改善することは難しいもの。そのため社員の定着率を高める取り組みは多角的に実施する必要があります。

経営者や上司が一方的に指示を出すばかりで作業をする社員の気持ちや現状をおろそかにしていると、社員は会社への信頼を失い、愛着心や労働意欲もなくなってしまいます。また会社への愛着や労働意欲がなければ、仕事がつらくなったり、他に待遇の良い職場を見つけたりした時にあっさりと離職してしまうことも考えられるでしょう。

指示系統をきちんと整えることと、一方的な指示によって社員を従わせることは、根本的に違います。現場で作業している従業員と、仕事に対するイメージの乖離が起きないよう、普段から積極的にコミュニケーションをとるようにしましょう。

社員一人ひとりに目を向ければ、誰がどれだけ頑張っているのか、どのような成果を出しているかなど、仕事の結果についても確認できるように。

実績や努力に対して適正に認めて評価することは、社員の自尊心や承認欲求を高めるために効果的です。これは、会社への愛着心にもつながり、離職率低下にも効果を発揮します。

また単に業務上の成果を見るだけでなく、縁の下の力持ちとして部署やチームの連携を強化している社員に対しても、その人がいるからこそ業務が円滑に回っているのだと理解を示すようにしましょう。

適正に評価した上で具体的に給与や賞与といった報酬に反映させることも定着率を向上させる重要なポイント。

もちろん経営状態や雇用契約の内容によって、すぐに給料を上げたり賞与を増額したりといったことは難しいかも知れませんが、言葉だけでなく実際に形として成果を伝えることは社員のモチベーション維持において大切です。

これらの報酬としてピアボーナスを活用することも効果的な対策といえます。

社内でトラブルが生じたり、仕事のことで悩んだりしている社員にとって、相談できる相手がいるかどうかは大きな問題です。

社内コミュニケーションの拡大によって、上司や同僚へ相談できれば良いのですが、上司や同僚だからこそ相談しづらいことも。不安を抱えた時に受け皿として機能してくれる制度を設けることは、企業基盤を強化することに繋がります。